昭和6年、志村兼次郎は横須賀海兵団に入団した。海兵団での日課は厳しく、猛訓練についていけない新兵に対する古参兵のしごきが情容赦なく行われた。頑健な兼次郎や要領のいい谷口銀造はなんとかそのしごきから逃れていたが、運動神経の鈍い西山三吉は、いつも激しい制裁を加えられた。ある日、兼次郎は、西山を不憫に思い、自から制裁を買って出るが、逆に生意気だと、黒川ら古参兵の怒りを買うことになった。そんなある日、皇后陛下の兄に当る久迩宮融王という若い海軍中尉が、陛下からの賜りものの懐中時計を便所に落して困っているのを、偶然通りがかった兼次郎が拾い上げてやった。大変感謝した久迩宮は、兼次郎を宮邸に招待する程の気に入りようだった。だが、兼次郎のこの行為は士官の機嫌を損ねることになり兼次郎は集中的に制裁を加えられた。だが、西山が下士官が通っている女郎に手紙を出したことから激し...
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