DV(デジタルビデオ)で撮られた100時間を超える前野健太のライブ映像から構成させた音楽ドキュメント。 前野健太は32歳のシンガー・ソング・ライター。 彼の歌には風景があります。 音を聞いていると、自分だけの景色がそこに広がる感覚になります。 そんな風景のある音楽を堪能できるＤＶＤになっているのではないでしょうか。 彼はいままで映像集を発表していないので、ファンにとっては貴重な一枚。 ただし、このＤＶＤは、単なる前野健太のライブＤＶＤではありません。 なぜなら、映画監督の松江哲明が撮影し編集した、立派なドキュメンタリー作品だからです。 あくまでもこれは、松江哲明が見た「前野健太という人間」を描いています。 前野さんも話していましたが、これは前野作品ではなく、松江作品。 でも、松江監督が前野健太という人をどのように感じてどのように捉えているのか それがつぶさに分かる本ＤＶＤは、個人的にはとても興味深かったです。 同じ曲が収録されていたりするけれど、前野健太は毎回違う歌の風景を見せてくれるので まったく飽きないし、同じ歌だと感じないところもすごいです。 今後はもっと、注目される歌い手として活躍して欲しいと、この作品を見て改めて思いました。