恋人とのデートに向かう青年と接触して、事故の被害者になったヒロインは、事故以降、奇妙な違和感に捕らわれます。 以前の自分をよく知る人にも「変わった」と言われ、『自分は本当に自分なのだろうか』という疑問が浮かんで、深まるうちに、 「ワタシノカラダヲカエシテ」と言うドッペルゲンガーが現れ、ヒロインの緊張は高まっていくのでした。 加害者の青年は昏睡状態。実はその魂がヒロインに入ってしまった為なのですが、青年としての記憶がない。憑依先に記憶を持ち越さないのがこの作品の特色です。 惑乱の中、偶然にも『青年の恋人』と出会い、惹かれ合って愛し合うようになって、 そして再び事故に（今度は自損）。 時を同じく、昏睡から目覚めた青年は、憑依していた間の記憶もなく、仕事に復帰。 （ヒロインと一緒に起こした）事故の後、見違える様にしおらしくなった恋人に違和感と別れの予感を持った彼の前に現れたのは、かつての恋人の雰囲気を纏ったヒロインでした。 …という、ホラーというよりは怪談。淡い儚ささえ感じる一作です。 覚え違いが有ればごめんなさい。