寺の正門ショット、喪装ではないが手に線香の束を携へた和服の女が、墓参に訪れる。墓に手を合はせた瀬川悦子(美月)が、遺影も終ぞスルーされる夫の死後、羞恥と屈辱の日々をもう一年、まだ一年と振り返つてタイトル・イン。明けて一年前、亡夫・ユータローかリュータロー弟の惣一(小林)・愛美(瀬戸)夫婦も交へ、顧問弁護士の佳山薫(フォクシーな眼鏡が不思議と全然そゝらない林田ちなみ)が、遺言状の中身を公開する。財産は全て悦子が相続、但しその条件として悦子はユーかリュータロー遺品の褌を常時着用し、なほかつ生涯貞操を守り通すことを義務づけられる。そして月に一度、履行を確認する検査を実施するとする仰天遺言。悦子が開く活花教室にも通ひ、義姉と距離の近い愛美は抗弁を唱へつつ、有無もいはさぬその場の勢ひで、悦子は下着も着けない裸の下半身を露に白フン着用。月一の貞操検査といふのも、惣一同席の下、薫が悦子を要は手マンする。それで何が確かめられるのか煌びやかに不明な、徹頭徹尾ポルノな方便シークエンス。とか何とかいふのがアバンで悦子が嘆いた、羞恥と屈辱の日々といふ次第。下らないと無下に難じるのは容易いが、これはこれで、ある意味想像力の限界に挑んでゐるやうな気がしなくもない。未亡人と褌、果敢に新たな機軸を拓かうとした、気概は買へるのではなからうか、俺は何をいつてゐるのだ。
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