米軍演習地で弾丸拾いをしていた大和ハル子は、東京で大学に通う兄の清輝をたずねて上京した。途中の貨車の中で家出娘のナツ子と知り合い、これから先の協力を誓い合った。上野に着いた二人は、三流週刊誌記者の相模慎太郎と知り合い、素性は判らぬまま信用して頼ることにした。兄貴の下宿にたどり着くと、三ヵ月も下宿代をためたまま行先不明。大学では彼は全学連の委員だからソ連に亡命したかもしれない、と言う。革新政党本部に行ったが、勿論らちはあかない。下宿のお内儀に泣きついて、ねぐらだけは確保した。翌日二人が東京見物をしていると、同じ村出身の兄貴の友人伊藤隆に逢った。景気がよいといばる隆に、ハル子が仕事を分けてくれと頼んでいると、隆の乾分の森家三平が「仕事だ!」といって飛んで来た。隆と三平のオートバイに二人が乗り込むと、後に続くオート三輪には体の情婦ユキや乾分の隆盛会の面々が乗り込んだ。隆はハル子達を見張りに立たせ、ユキにスカートをあげてトラックを止めると、運ちゃんが襲いかかり、トラックを解体した。隆の商売とは、つまりポンコツ屋強盗だった。ハル子は感心した。隆のアジトでは、その夜大騒ぎだった。ナツ子は三平と仲良くなった。ハル子は慎太郎を呼び出してデイトした。慎太郎はハル子の写真をとりまくり、“家出娘行状記”のネタにした。ある日、隆盛会の面々は仕事の最中警官隊に囲まれた。ハル子達は尾行した慎太郎に助けられた。ハル子達は隆盛会と手を切り、スラム街で屑拾いをすることにした。慎太郎を訪ねると、週刊誌のトップに自分達の姿がオーバーに書き立てられているので、喧嘩別れした。アタマに来たハル子とナツ子が街中で乗用車を解体していると、警官につかまった。隆たちが野次馬を煽動して釈放を要求したので、警官と野次馬の大乱闘になった。混乱の渦から抜け出たハル子は隆と話している黒眼鏡の男を見た。彼はハル子が探していた兄の清輝で隆盛会の親分だった。清輝は札束を渡してなだめたが、ハル子は札束をたたきつけて走り去った。群がる人々をあざ笑うように札束はとび散った。
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