農村の三男坊新庄三郎は父の急死で大学を中退、叔父野々宮信を頼って上京した。然し叔父は彼の無謀を諌め帰郷を促した。そんな三郎を同席していた助手の倉田久子が同情の瞳で見守っていた。途方に暮れた三郎が尋ねたのは幼な友達の北見里枝だった。彼女は女給をしながら美容学校へ通っていた。その後、彼は青函連絡船で知り合った自衛隊員山岸輝夫の紹介で自衛隊に入隊した。しかし平和論者の叔父に冷たく反対され、口惜しさに泥酔、無断外泊をしてしまった。泥酔の彼を助け自宅に泊めたのは久子だった。翌朝三郎の純粋さに惹かれた久子は、社会からはみだしても、自分の良心からだけははみださないでと彼を励ました。無断脱退も山岸の善処で事なくすんだ。やがて里子の計らいで闇物資の売子として街頭で働いていた三郎は、これを叔父にこっぴどく罵られた。やけになる三郎を里枝は久子への意地からケネデイの油脂会社...
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