松村商事会社の女社長松村せいには三人の娘がいる。長女初子の夫昌二郎は暇さえあれば釣りに出掛けている。次女和子の夫三浦は三日にあげず松村社長の怪しげな謡曲のお相手を仰せつかって和子の不機嫌を買ってばかりいる。三女の正子は男なんか大嫌いと言って母の薦める森山との結婚をなかなかうんと言わない。昌二郎は児童玩具の製造販売を企画して社長に提案するが採り上げられず面白くない気持ちと初子の不機嫌な顔から逃れるため待合へ入り浸り幼馴染の芸者鈴千代と親しむ。和子は夫直助の煮え切らないのが気に食わずとうとう喧嘩して松村家へ帰ってしまう。ある日昌二郎の娘千代子と仲良しの植木屋の娘が一緒に食べた物により二人とも病気になり慌てた昌二郎は自分の娘より植木屋の娘を病院へ運ぶ。初子はこの昌二郎に何か真実なものを発見したような気がする。その二人の様子に和子は初めて夫に女性らしい感情を持つようになる。三女の正子もこれに刺激されて森山との結婚を決意するので母親は大喜び。ここに於いて昌二郎も懸案の児童教育玩具がいよいよ実現されることになり、どこもかしこもハッピィエンドとなる。
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