レイは、内向的な性格で自分の意見や感情を上手に表現できない女の子だ。恋人の中村との時間は穏やかだが、情熱的な何かはない。ある夜レイは、幼い頃に母との離婚で離れ離れになってしまった実の父に会いたいと強く願う。レイの心に情熱がともる。母との会話、錯綜する記憶、夢、父との再会…。レイが心に秘めていた家族への思いが少しずつ明らかになっていく。 この映画は、私の家族にとって特別な場所である銀座と、幼い頃に不思議な空気を感じた富士山のある山梨が舞台です。映画の中で描いた家族への想いは必ずしもいいものだけではありません。主人公・レイは、混乱の中にいます。けれど、彼女は迷いながらも正直に生きることを選択します。私は、この映画が、観て下さった方を少しでも勇気づけることができたらと、願っています。[坂本ユカリ]