夕陽を浴びながら輸送船が航行して行く。その船内では、敵前上陸を前にして肉親に手紙を書く者、配給の酒を酌み交わす者、軍歌を歌う者・・・そのいずれもが緊張感を隠し切れなかった。第二分隊長玉井伍長(小杉)は部下の13名を集め、自分が倒れた時は坂上上等兵(井染)を分隊長にして戦うよう、後事を託して訓示を終えた。そして、小隊長山崎少尉(荒木)の発した上陸開始まで休めの言葉はあったが、眠りにつく兵隊は誰もいなかった。やがて、漆黒の中で輸送船は目的地に達した。小艇に乗り移った玉井伍長は、番号を呼称させて13名のいることを確認した。陸地を踏んだ兵隊達を待ち構えていたように、激しい敵の軽機関銃の音が響いた。泥の中に散った玉井隊は直ちに応戦の火蓋を切った。だが、艦砲の援護射撃や飛行機の爆撃も効果が無かった。中隊長の命令で後退の伝令が来た時、乗本一等兵(秋見)が敵弾に倒れ...
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