青雲の志に燃える無頼の青年・玉井金五郎は、恋女房のマンと一人息子の勝則を連れて、若松の港のゴンゾの親方・永田杢次のもとに身を寄せた。二人は真黒になって働いた。そんなある日、幼い勝則が筏で流された。それを救ったのは、支那大陸の流れ者、銀五だった。駈けつけて来たマンを見て銀五は身ぶるいした。感謝の気持を表わすマンに死んだお袋のおもかげを見たのである。それからの生涯、銀五はマンを心ひそかにあこがれつづけていった。翌年の春。急に勢力を増した友田組が、永田たち連合組の荷役奪回を策し始めた。連合組の総師大庭春吉は受けて立つことを宣言。金五郎も、友田組を向こうに回して敵対の意を表した。ある日、金五郎は大庭に、永田組の後釜として「玉井組」の看板をあげるよう懇願されるが、永田の手前もあり辞退した。その夜、大庭に連れられて賭場に行った金五郎は、顔見知りの蝶々牡丹のお京と...
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