昭和一六年(一九四一年)、小学六年生の恭太と健次が住む、長野県の山間部にも戦争の波がおしよせていた。ある日中国の戦場から、健次の兄圭一が右足を失った姿で帰ってくる。少年飛行兵になって兄の仇をとるんだという健次をたしなめる父親・清造。その年の十二月八日、太平洋戦争が始まる。数年後高等科を卒業した健次は、圭一の勧めで教師になることを決意し師範学校へ進学する。一方、恭太は同級生の順平や勇介と共に、日本の国のためになると信じて満蒙開拓青少年義勇軍に入った。
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