吉岡憲法の道場に武蔵と名乗る二人の男が現われた。作州の平田武蔵は吉岡伝七郎を、播州の岡本武蔵は吉岡憲法をそれぞれ倒した。憲法の弟吉岡又三郎は叔父と兄の仇討の挑戦状を発した。この高札をみて佐々木小次郎は笑った。彼の後に女芸人りくと、奥之山休賀斎がいた。りくは平田を恋してい、休賀斎は平田の師だ。一方、岡本にも千珠という恋人がいた。彼の師は唐人剣師唐十官だった。一乗寺での仇討は、平田が先にきて又三郎を斬った。後から来た岡本、二人は剣を極めてから雌雄を決することにした。平田は柳生に挑むために江戸へ、岡本は柳生国許へと旅立った。平田は将軍徳川秀忠の御前試合で柳生宗矩に挑戦したが、柳生内蔵助の審判は引分けとした。これは明らかに平田の勝だった。内蔵助は娘きわを男装させ平田をろう落させようとした。が、平田はその手に乗らなかった。柳生の庄--岡本は当主柳生石舟斎の孫娘...
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