新たな「うたもの」ムーブメントの火付け役となった1stアルバム『ロマンスカー』(2007年)の売り上げを惜しみなく投入したという自宅スタジオにて録られたこのアルバム、何曲かはすでにライブで披露されており、そのいずれもの名曲ぶりに胸を膨らませていたわけだが、はたして想像を越える傑作となった。ボブ・ディランの詩情、ルー・リードの官能、エリオット・スミスのメランコリーなど、過去の偉大なソングライターたちのエッセンスを湛えつつも、前野健太にしか歌えない珠玉のポップ・フォークがここにはある。 あるいは、国内の素晴らしいソングライターたち、バンドたちが若者のリアルを活写してみせたあのいくつかの名盤を思い出してもよいかもしれない。恋をしたり、ケンカをしたり、仕事場に通ったり、喫茶店でうつむいたり。前野健太の歌は、東京に暮らす若者たちの日常を、あるときは優しく、ある...
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