婚約者のミチオを轢逃げ事故で亡くした弓子（とよた）は, 上司のフクイ課長（なべ）から紹介された羽室裕也（石黒）と結婚する. 裕也は父の羽室徹三（穂積）や母の羽室繁子（鰐淵）, 妹の羽室睦子（桜井）, 弟の羽室一直（草野）と一緒に暮らしており, 弓子は裕也の家族と同居することになった. ある日, 弓子は使われていないタンスの中から, 猫と一緒に写っている5人家族の写真を見付ける. 背景には羽室家の邸宅が写っているのだが, 繁子はその家族のことを知らないと言った上, 弓子からその写真を取上げて握り潰してしまう. 羽室家に遊びに来た帰り, 親友の笹岡美津子（長田）は, 弓子に対しリアリティが無い家族だと話す. 羽室家の人々は隣に住む沖野優子（根岸）とも付合いが無く, 電話や手紙の類も一切無いことに不審を抱き始める. 繁子は弓子に優子とは話をするなと忠告するが, 弓子はこっそり優子の家に遊びに行く. 優子は売れない作家の夫と息子や娘と一緒に暮らしていて, とても幸せそうにしていた. 母のところに電話した弓子は, フクイが轢逃げされて死亡したことを知る. フクイの妻は羽室家にも連絡を入れたと言うのだが, 誰もそのことを話題にしていなかった. 久し振りに帰国した徹三の兄のテツタロウ（藤木）が羽室家を訪れるが, 応対した弓子に対し, 繁子は誰もいないと言って追返せと命じる. 一直とテツタロウ, 徹三, 睦子が次々に殺され, 羽室家の様子に不審を抱いた美津子は, 刑事（江藤）に相談を持掛けた.