昭和59年・夏。父親は交通事故で死亡、母親に家出された七瀬珠希は15歳だった。やがて、貧しいが心優しい女性に成長、山梨県のある町で高校を中退して小学生の弟・亮太の面倒をみていた。そこへ母・千尋死亡の知らせが。東京の加賀見病院へ行くと、変わり果てた母の姿があった。珠希を励ますため、お守りのキーフォルダーを差し出す心優しい恭介に惹かれる珠希。義弟・亮太の病気をきっかけに珠希たちは謙治の世話になることになるが、それは謙治による異母兄・英夫への復讐へのひとつの手段であった。 母親の不倫相手であった英夫の息子・恭介から愛を告白されるが、母親の自殺の原因が英夫にあることを知り、憎しみと愛の狭間で苦悩。やがて謙治の罠により英夫殺しの容疑で逮捕されたことで、絶望と後悔の淵に立たされる。 13年後、恭介・悟・亮太の3人の異母兄弟は加賀見病院院長となった謙治の息子になっており、少年院を出た珠希も医師となって加賀見病院で勤務しはじめ、恭介らと再会。父を殺されたと思い込んでいる恭介は、珠希を憎みつつも愛の思いを捨てきれない。やがて愛し合うようになった2人だが、謙治が珠希を陥れたのではないかという亮太の遺書を読み、愛を捨て憎しみに生きる事を決意する。そして珠希は本心を隠したまま日本を去る恭介と別れ、悟と結婚して加賀見家の一員となり、亮太の1年後の命日に悟の子と偽った恭介の娘、彩を出産。 それから11年後、珠希は妻としても母としても医師としても、加賀見家や加賀見病院にとって欠かせない人間となっていた。そんな中、映子が倒れたのをきっかけに長らく日本を離れていた恭介が再び姿を現すが・・・。
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