松本清張では希少なジュブナイル作品の一つで、高校生グループが事件の真相を探る異色作。カッパ・ノベルス版の発行部数は66万部を記録している。 『高校殺人事件』は、松本清張の長編推理小説。『高校上級コース』(1960年4月号以降は『高校コース』)に連載され(1959年11月号 - 1961年3月号)、1961年12月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。 連載時のタイトルは『赤い月』 1977年に「少年ドラマシリーズ」の一つとして、連続テレビドラマ化された。 武蔵野台地の一角、多摩川の流れを見おろす、かつての城あとに、私たちの高等学校はあった。高校3年の私たちグループの一員で、ポーの心酔者である通称「ノッポ」が、学校の裏の沼で無惨な死にかたをしたのは、沼のほとりに蛙やいもりの出没する晩春のことである。彼は闇の中から流れてくる妖しい笛の音に魅せられて、人気のない深夜の沼に入って行ったという……。
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