第18回芸術祭文部大臣賞/教育映画祭一般教養映画最高賞/日本紹介映画コンクール銀賞/キネマ旬報短編ベストテン第1位/日本映画ブルーリボン賞教育文化映画賞/毎日新聞日本映画コンクール記録映画最高賞/ベルリン映画青年文化賞 1962年、国鉄ではがオリンピック準備に伴う資材運搬や新幹線配備等によるタイヤの過密化が進み、労働強化を強いられていた。同年5月2日には、三河島で大事故が起きた。国鉄当局は、事故の印象を一掃するため、鉄道の安全性をPRする映画を企画した。土本は、労働者の実像なくして国鉄は語れないと、事故のあった常磐線を取材、2日間釜たきを体験してシナリオを書き上げた。朝8時に東京尾久機関区で点呼をとった後、上野から水戸まで機関車を運転してくる。水戸到着後、5分以内に車軸、ピストン、釜を点検し、交替乗務員へのひき経ぎをしなければならない。夕方再び上野まで列車を引いて帰る時間まで、水戸で休息をとることが仕事である。顔についたススや汗を石けんで洗い流す。労働時間量は労働医学研究室の生体反応テストで得たデータによって決められている。休憩室へ行くと、仲間が談話している。かろうじて避けえた踏切事故で、その時のトラックの積荷が火薬だったことや、自殺者に飛び込まれた話など…、明日は我身、他人事ではない。想えば、機関士になることを夢みて学習した、中央鉄道学園での日々がなつかしい。仮眠をとった後、勤務につくために乗務員控室へ行く。びっしり書き込まれた列車タイヤ表に、さらに赤線が入れられる。3分遅れで水戸に到着した「みちのく」を、これから上野まで運ぶ。許された速度の範囲で、その遅れを回復しなければならない。すばやく交替業務を終え、水戸を出発。陽はすでに傾いている。田園の中を、白煙を上げて疾走する機関車。機関士が助士に次々と指示を出す。釜に石炭を放り込む機関助士。駅通過、時刻表チェック、遅れをl分縮める。日が暮れ、前照灯に照らしだされる線路。水圧計を見る機関助士、耳がススで真黒になっている。駅通過、遅れを1分半縮める。釜・水圧・蒸気とひっきりなしに指示をだす機関士、点呼し確認する機関助士。取手駅通過、やっと定刻。常碧線は、多いところで日に460本の列車が走る。信号チェック、まわりが、街のネオンでにぎやかになってくる。水戸から上野まで、信号150、踏切300、ひとつたりとも見誤ることは許されない。上野駅定時に到着。機関士は報告を書く。機関助士はくつろいで野球のモーション。ホームに降り立つ乗客。やがて、ホームをバックで出ていく機関車。最後の点呼。この日も、「12列車、上野到着。特に異常ありません」国鉄は、でき上がりを観てこの映画の公開を梼躇したが、映画は好評で、数々の賞を受けたこともあり、公開に踏み切った。
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