青田喜三郎は九州から秋田県角館東高校に臨時教師としてやってきた。越後屋という呉服屋の二階に下宿した青田はその店の主人の徳治や奥さんのあや、一人息子の茂の暖かい歓迎を受けた。秋田弁と九州弁のズレでとまどい、生徒たちからも馬鹿にされていた青田だが、彼の柔道の腕前を見て、生徒たちも信頼しはじめた。青田は角館の女子高の先生で聡明な美人の清水鹿子を密かに慕っていたが、そのことを感づいた茂が、青田の名前でラブレターを鹿子に出してしまい、二人の関係はご破算になってしまう。青田が身体の調子の悪いとき、鹿子は見舞いに来てくれたのに……。それから間もなく、根性というあだ名の生徒が停学処分になり、その後も登校して来なくなった。青田は何度も根性の家に足を運び、そのかいがあってか、根性は学校に戻った。そのことを一番喜こんだのは、根性の姉の百合子だった。一方、青田は百合子の白鳥...
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