早朝からいろいろの人を飲み込んでゆく地下街。「新世界」と書いたネオンのかかっているおろし戸は毎日何事もなく開きそして閉じている。がそこには様々の色模様が人知れず織りなされてゆく。真面目な生活の尊さをマダムに説かれながらも金に惹かれて地下街の顔役にまける気の弱いバーの女、靴の磨き代にある時百円を握らされて金の魅力に惹かれ青春クラブと呼ぶ怪しげな賭博場への案内役をいつしか始めている靴磨き、強盗で三万円をかすめ取り地下街のバーへ隠れて酒をあおる引揚者。世をすねて同胞の薄情を呪う引揚者に切れむしろと煙草の吸がらを与える浮浪児達。この浮浪児達を動物のように嫌っていた地下映画館のチケット娘。浮浪児達の引揚者への心情の優しさを聞いて、ある日追われた引揚者がチケット売場へ投げ込んだ金で、娘は浮浪児達に食べたいものを食べさせてやる。靴磨きは青春クラブへ誘った友人がクラブで殺されたのを知りクラブの経営者地下街の顔役を殺してしまう。バーの女は親分の死も知らず外で待っている。おろし戸は今日も静かに閉じられていく。
影视行业信息《免责声明》I 违法和不良信息举报电话:4006018900