温泉宿あやめ館の若い女主人夏子は東京の妹とみ江が病気だというので、女中きくをつれて上京してみると、とみ江の家に若い吉川という男が下宿している。とみ江は吉川に気があって、下宿代もとらず、姉が資本を出した小料理屋も、借金がかさんで閉店している。金利貸の番頭三平はとみ江に気が あって、利息の足しにとみ江に女中に来てくれという、勿論女中に来ても何んにもさせないというのだ。吉川は麻雀クラブのマダム記代にほれられている。夏子がやって来てから吉川、三平の態度が変わって、夏子にいろいろとお世辞をいうようになる。そこへ田舎から夏子の顔を見たくて木島が上京してくる。夏子は木島のことは何んとも思っていなかったけど--ところが木島は汽車の中で鞄をとられて無一文。とみ江の家へ泊まりこむことになる。三平は高利貸しのおいぼれ婆が死んだら財産をもらえると思って番頭をやっていたが、田...
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