ある朝、都内でパトロール中の警察官が顔と衣服に血がべっとりとついた男(=高沢明・阿部亮平)を保護した。その血液型が男のものと異なることから事件性があるとされ、十津川警部(内藤剛志)と亀井刑事(石丸謙二郎)たちが捜査に乗り出した。 男が着ていた衣服には「高沢明」と記されていたが、男は記憶を失い自分の名を覚えていない。手掛かりは男が持っていた群馬県・伊香保神社のお守りだけだった。 時を同じくして、伊香保温泉近辺で女性の刺殺死体が発見された。被害者の血液型が男の衣服に付着したものと一致したことから、群馬県警の平田警部(徳井優)と加納みずき刑事(紫吹淳)が上京し、十津川班の捜査に合流する。 被害者の女性は所持していた運転免許証から、都内でワインバーを経営する原田あかり(西原亜希)と判明。あかりの部屋を捜索すると、保護された男とあかりが一緒に写った写真が発見され、男が高沢明だと特定。高沢とあかりをつなぐ動かぬ証拠が見つかった。しかしその矢先、高沢が収容中の病院から抜け出したと西本刑事(高杉瑞穂)から十津川に連絡が入る。 あかり殺害との関わりが疑われる高沢が失踪したことは、十津川班の大失態だと加納刑事は激怒、あかりの遺体が発見された現場を捜査したいという十津川に、警視庁の管轄外への不当介入だと反発する。 怒りが収まらないままの加納と伊香保へ向かった十津川と亀井は、あかりの遺体の側に竹久夢二の短歌を書いた便箋が落ちていたことを知る。男女の心中を暗示するような短歌の内容に十津川は胸騒ぎを覚える…。 さらに捜査を続けると、ブックデザイナーの橋本ひろ子(笛木優子)が高沢の行方を探していることが分かった。ひろ子は高沢の恋人だが、あかりと知り合ってから彼の言動が変わったと言い、さらに高沢は誰かにつけ狙われている気がすると言っていたと話す。そして伊香保へ行くという高沢からのメールを最後に連絡が取れないとひろ子は表情を曇らせる。ひろ子は高沢はカメラマンで、伊香保の景色や祭りを撮影していたと明かす。 高沢は依然として行方が分からない。あかり殺害の犯人と動機も闇の中だ。そこへさらなる事件が発生する。榛名湖畔のコテージで新たな遺体が発見され、その室内から高沢の指紋が検出されたのだ。あかり殺害との関連も考えられたが手掛かりは掴めずにいた…。
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