三島藍子は東京の下町の電気工場の女事務員だったが、叔父野村惣平の息子大助が、藍子には内緒でそっと東邦映画会社のニュー・フェイス募集に彼女を推せんしたのが、嘘から出た誠で、数多い応募者の中から彼女も合格者の一人にえらばれた。激しい訓練期間がすんだとき、同期の藤村芳子が「港の花嫁」という作品の主演にえらばれ、藍子たちの羨望の的であった。が、その芳子が病気のため出演不可能になったとき、藍子が幸運にもその役をふり当てられた。彼女の第一回作品は大成功で、三島藍子も新スターとして売り出し、一年足らずで、第一線スターとしてもてはやされるようになった。ファン・レターが毎日山のように舞い込み、白亜の洋館の家も建てられた。しかしそういいことばかりではなかった。母と兄夫婦と弟の、貧しかったが楽しい円楽は失われ、弟俊夫は工場をやめて大学入学を夢みていたが、競輪や競馬にこって...
影视行业信息《免责声明》I 违法和不良信息举报电话:4006018900