邦画界の巨匠・渡辺護×希代の天才脚本家・大和屋竺のコンビが、都落ちして温泉場に流れ着いた三人のエロ事師たちの姿をユーモラスに、内縁とはいえ惚れ合った糸でほぐれようとして結ばれて行く夫婦愛を悲喜こもごもに描いた名作。 エロ事師の久生とその妻で「女優」の雀は、口のうまい小悪党のトリ金を相棒に、Y写真、実演、ブルー・フィルムで稼ぐ裏世界の旅をつづける。温泉街の客たち、女中、チンドン屋、刑事、やくざが登場する物語。 そこで久生と雀は、生き抜くために地獄のポーズをとり、だまし、だまされ「雲を見つめながら」運から見放されてゆく。大月麗子演じる雀のしなやかな肢体は、可愛い女・負けない女・不幸な女のメロドラマを突き抜けて、この世の悲しみの奥の奥へと転落する。1960年代後半から天才ぶりを発揮しつづけた大和屋竺が日野洸の名前で書いた脚本を、渡辺護監督が職人にして作家たる者の自負と活動写真への愛をこめて映像化した。1970年という時繧フ影をおびえながら、サイレント期から1950年代までの日本映画の味もたたえた初期ピンク映画の大傑作だ。(福間健二)
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